思考遍歴

19歳

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

明かしえぬ共同体

ブランショの『明かしえぬ共同体』における「無頭人(アセファル)」の記述を読むたび、全員自死を定められた秘密組織「TENET」を思い出し、もしかしたら二つって同じなんかしらん、と勝手に思っている。勝手にね。 でも、『TENET』の哀愁をこの本に投影する…

当事者性バトル

正直なところ、当事者以外は口を挟まないべきだと私は考えている。これは恐らく潔癖症の視点であろうが、しかし当事者以外があれこれ類推してゴシップを生み出すのを私は嫌というほど見たのである。そのせいで当事者間の関係にもつれが生じ当初の目的にも滞…

『有罪者』評

バタイユの寡黙を私は愛してきた。かれの沈黙はすなわち夜の静けさなのだ。存在の揺蕩う静寂において《何者でもない》の沈黙を聞き分けること。それこそが『有罪者』に流れる音楽なのである。私はこの音楽を万事において求めてきた。 饒舌には歌い得ぬ音楽が…

黙想

なんというか、30歳やら40歳にもなると、脈絡の無い生き方というのが難しくなってくるようだ。どれほどぶっ飛んだ言行を繰り返そうが、どこか拭いきれない倫理観がある。それは外的に規定される私が、内的に規定される私とに生じる齟齬を、無意識か有意識で…

肉の言い分

肉だ、と心の一部が言っている。肉の言い分だ。無視しちまえ、と。 (ウィリアム・ギブスン,黒丸尚訳,『ニューロマンサー』,早川書房,1986年,289頁) 『ニューロマンサー』の肉体性について語ってみる。 脳-身体という野卑な二元論を『ニューロマンサー』へ…

ゲームの都市

「人生」というゲームが存在する。ゲームシステムは極めてシンプルだ。まず数字の書かれたカードを用意し、一枚ずつ提示する。我々はその時々で取捨選択をし、相手より大きな数字を手にしたら勝ちだ。それでは、54、97、2、36、──── 小川哲先生はそもそも「…

起床

寝てました。330日。